新卒も即戦力でなければ、採用されない時代に。

今後、労働人口が減少していくなかで、社会は新卒採用の定義というものを改めて見直す時期になったのではないでしょうか。特に学生の皆さんにおいては、これまでの就活ルールのまま就職活動をしていくことがリスクであると気づかなければいけません。新型コロナによって、時代が大きく変わるスイッチが入ったと言っても過言ではないでしょう。では、新しい時代の就職活動はどのように変わっていくのでしょうか?

労働力人口と労働力率の見通し
出典:みずほ総合研究所

長期インターンの増加に伴う、採用の早期化と学生の戦力化

企業のインターン実施率は、2022年卒で減少に転じています。しかし、過去数年の動きを見ていくと年々、増加傾向であり、2023年卒では、昨年対比で増加傾向となっていると言うデータもあります。コロナによるインターンの中止や延期等がなければ、多くの企業が実施していたと読み取れます。

学生のインターンシップ参加率/企業のインターンシップ実施率
出典 株式会社ディスコ「キャリタス就活2022」 2022年卒インターンシップ調査

特に企業のインターンシップ実施率が15%近く下がっているにも関わらず、参加率は1%しか下がっておらず、企業側がインターンシップを実施していれば、多くの学生が参加しており、インターンは導入する企業、参加する学生も増加していくと推測できます。

また、長期インターンの検索ボリュームも年々増加しており、学生のうちに会社で働きながら、社会人スキルを伸ばして就職活動を有利に進めたいという思いも見えてきています。

長期インターン検索の伸び
出典 インターン求人サイト「InfrA」

こうした長期インターンの増加に伴う、採用の早期化と学生の戦力化によって、これまでの就職活動、新卒採用のルールは大きな変化を始めています。大学卒業時には、即戦力になっていなければ、希望する企業には就職できないという状況が生まれてきます。

社会人としての能力を高めながら、お金を稼ぐという意識

近年、就活セミナーなどで「誰にでもできるアルバイトでお金を稼ぐのではなく、社会人スキルを学びながらお金を稼ぐ」という長期インターンへの啓蒙をしているという話をよく耳にします。優秀な学生であれば、合理的なこの考え方に共感し、大学生のうちから、経験値を高めて就職活動を有利にしていくために長期インターンへ参加するでしょう。

ただ、現時点で学生が求める条件に対して企業が提供している長期インターンは多くなく、競争率が高いという課題もあります。業種・業界によっては、学生の登用が難しいところもあるでしょう。しかし、企業と就活生の求めるものが一致しているこの長期インターンは、今後も増加を続けることは間違いないでしょう。

長期インターンのメリット

SNSによる情報の共有化で、社会人と学生との間に差がなくなる

特に現代においてSNSの拡散力、ネットワークは凄まじく、「有益」な情報は瞬く間に広まり、トレンドとなります。長期インターンの情報だけでなく、そこで学んだ知識、技術、ノウハウは学生の間で共有化され、ある意味社会人よりもビジネスに関する情報は共有知として、浸透していくと考えます。

こうした情報の共有により、社会人と学生の間の差が極端に少なくなり、逆に情報をキャッチできる若者の方がさまざまな知識や経験値を得ることで、企業にとって魅力的に映ることも出てきます。
大きな変化の波は、あっという間に古い考え方、働き方の社会人を飲み込み、社会の在り方すら変えてしまう可能性があります。

新卒も中途も同じ舞台で就職活動をするアメリカ式採用

こうした変化によって、アメリカのように「新卒」という枠組みがなくなり、新卒と中途が同じ求人で争うという状況も生まれてくるかもしれません。

インターンによって選考を行っておくことで、欠員の補充、事業拡大による人材の確保を行う方が効率的でしょう。
まとめて採用して、まとめて育成するといった無駄を省くことで、組織はさらに強くなりますし、そうでなければ、世界と戦っていく強い企業は育たないはずです。

日本の「新卒採用」という人材採用のルールは、新型コロナというスイッチによって崩壊し、改めて企業のコアである人材採用をどのように最適化していくかを考える時代となったのです。


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