企業選びをする中で、「休み」の多さを気にする就活生は多いかもしれません。休みが多ければ、プライベートの時間を有意義に過ごすことができるため、年間休日が多い企業を魅力的に感じる方も多いでしょう。
2021年4月に自由民主党の一億総活躍推進本部は、本人が希望すれば週に3日を休日にできる「選択的週休3日制」の普及に取り組むよう政府に提言しました。政府も、普及に対して前向きな印象を持っているため、「選択的週休3日制」が今後普及していくことが考えられます。
自民党1億活躍本部、週休3日制を議論
参考:産経新聞 THE SANKEI NEWSより
既に週休3日制度を導入・検討している企業も増えてきていますが、実際に週休3日で働くことにはどんなメリットがあるのでしょうか。
日本企業の平均年間休日は110日
厚労省「就労条件総合調査」によると、2020年の年間休日数は企業平均で110.5日です。労働条件を見る際「土日祝休み」「夏季・年末休暇あり」という会社であれば平均通りの休日が取れるはずです。
労働条件を見たときに、年間休日120日前後の会社は休日が多く、100日前後の企業は休日が少なめだと言えます。週休3日制度になればさらに休日が増えるので、働く人々にとっては魅力的に見えるでしょう。
参考:厚労省 就労条件総合調査
同調査によれば業種別の休日数は、1位「学術研究、専門・技術サービス業」「情報通信業」、3位「金融業、保険業」の順に平均休日が多く、反対に観光業や美容サービス業は平均休日が100日以下と休日数が少ない結果となっています。サービス業の場合、土日祝日を含むシフト制で働くことが多く、正社員で週休3日を導入している企業は多くないでしょう。
週休3日で働くメリット
週休3日制を導入している企業の中には、「完全週休3日」を導入しているところもありますし、完全ではなく3日目の休みを「出勤してもしなくても良いフリー日」としている企業もあります。
どちらにしても週に3日休みがある・休みを取る選択ができることはとても魅力的に感じます。
休日数が増えれば、プライベートに使える時間が増えます。趣味に当てるもの良いし、仕事のスキルアップのための勉強に使うこともできます。また副業が可能な企業であれば、本業の他に自分の新たな収入源を確保することもできるでしょう。
休日の数が増えれば、多少仕事にストレスを感じる時があっても、心と体の健康を保つことが可能です。将来的にみても、子育てや介護と仕事を両立しやすいというメリットもあるため、「長く働く」という観点から見ても、休日数が多い企業は魅力的であるといえます。
就職情報サイト「キャリタス就活」を運営する株式会社ディスコが、2023年卒の就活生に対し行った調査によると、就職先の企業を選ぶ際重視する点は「将来性がある」「給与・待遇が良い」「福利厚生が充実している」が上位となっています。会社の規模や業績よりも、ワークライフバランスを重視している就活生が多いようです。
就活をする際は、仕事内容だけではなく福利厚生や休日数を見極めて、プライベートに重きを置いている就活生の思考が伺えます。リモートワークを導入し「場所にとらわれない働き方」を推奨している企業の人気が高いのも、こういった理由からでしょう。
自分に合った仕事内容か、やりがいのある仕事ができるか、ということを入社前までに判断するのは難しいでしょう。面接をいくら重ねても、結局は自分の主観的な判断になってしまうためです。
休みの数は滅多なことがない限り後から変わったりはしません。ワークライフバランス重視の就活生にとっては良い判断材料になるでしょう。
週休3日制にはデメリットも
週休3日制で働きたい、週休3日制で募集している企業を探す場合、注意すべき点が2つあります。
週休3日制で働く場合、7日間のうち3日が休みになるのは聞こえは良いですが、本来仕事をする予定の日が強制的に休みになるということ。最初から週休3日制の企業なら問題ないですが、週休3日制を導入したばかり、という企業の場合「業務量は変わらないのに労働日が減る」ことになります。
業務量が変わらないのに労働日が減ることになれば、仕事が労働時間に終わらず結局残業や休日出勤が必要になってしまいます。
また、単純に働く日数が増えるため週休2日で働くよりも給与が減ることも考えられます。週休2日制で働く社員と、週休3日制で働く社員を分けて採用する企業の場合、給与水準やポジションが週休2日制の方が上、という社内での力関係がある可能性もあります。
週休3日制を導入している企業はこれから増える?
週休3日制は、働く従業員にとってはプライベートや家事育児に使える時間が増えるため、大いにメリットがあります。企業にとっても、良い労働条件の企業というブランディングができれば優秀な人材を確保できるというメリットがあります。
大企業を中心として週休3日制度の導入を検討する動きが広がっていますが、まだまだごく一部です。就活生の皆さんは週休3日に絞って考えることはせず、まずは週休2日制をベースに置いて就活をすることをおすすめします。