面接になると、頭が真っ白になる。
準備したはずの答えが出てこない。終わった途端に「あれを言えばよかった」と思い出す。
それは、準備不足だからとは限りません。
頭が空っぽになったのではなく、むしろ考えることが多すぎて、いっぱいになっていたのかもしれない。
面接官がメモを取った
「学生時代に力を入れたことを教えてください」
準備していた話を始める。
最初は順調だった。
途中で、面接官が何かをメモした。
「今のところ、何か気になったのかな」
少しだけ頭をよぎる。
話を続ける。
今度は、面接官の反応があまりない。
「長いかな」
「ちゃんと質問に答えてる?」
「結論から言えてたっけ」
そんなことを考えているうちに、
「あれ、次なんだっけ」
となる。
話すこと以外も、ずっとやっていた
面接中にやっているのは、質問に答えることだけではない。
話しながら、面接官の表情を見る。
ちゃんと伝わっているか確認する。
さっきの言い方を振り返る。
用意した答えとズレていないか考える。
つまり、話しながら、自分の回答を採点している。
友達と話すときなら、
「昨日バイトでさ」
と話し始めて、
「あ、違う。その前にさ」
と普通に戻れる。
途中で言い直しても、そこまで気にしない。
でも面接になると、一度口から出した言葉まで気になってしまう。
「今の答え、大丈夫だったかな」
そう考えている間にも、次の言葉を出さなければならない。
「頭が真っ白」は、何も考えていない状態ではない
面接が終わると、
「頭が真っ白になって、何も考えられなかった」
と思う。
でも、その瞬間の頭の中をもう一度見てみる。
次に何を言うか。
今の答えは変じゃなかったか。
面接官はどう思っているか。
話が長くなっていないか。
覚えてきた内容とズレていないか。
何もなかったというより、いろいろなことが同時にあった。
だから、次に話したかったことが出てこなくなったのかもしれない。
だから、帰り道で思い出す
面接が終わる。
もう面接官の表情を気にしなくていい。
さっきの回答を採点しなくていい。
駅まで歩いている。
そこで、
「あ、あれ言えばよかった」
が出てくる。
帰り道で急に答えが生まれたわけではない。
面接中にも、ちゃんと自分の中にあった。
ただ、それを取り出す余裕がなかっただけなのかもしれない。
「頭が真っ白になった」と感じた面接。
本当に何も考えていなかったのか。
それとも、考えることが多すぎただけだったのか。


