大学生の就職活動においてインターン参加はもはや必須といえるかもしれません。多くの企業がさまざまなインターンを開催し、学生側もそれに対して積極的、かつ肯定的に捉えています。
本記事では、イマドキの学生のインターン率を確認したうえで、企業がインターンを開催する目的も解説します。
学生のインターン参加率は81.8%
2021年にマイナビが行った「マイナビ2023年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査」によると、インターンに参加した経験がある学生の割合は81.8%です。
また、同調査によると、学生のインターン参加率は年々上昇しています。2018年まではインターンの参加率は50%台でしたが、2019年から70%台、80%台と上昇しています。
学生がインターンを選ぶ基準は?
前述の通り、就職を希望する学生の多くがインターンに参加しています。彼らはインターンに参加する企業を決めるにあたり、何を重視しているのでしょうか。
同調査における「学生が今後参加したいと考える開催企業」に挙がった上位5つの特徴は下記の通りです。
- 興味のある業界・業種である 82.7%
- 興味のある職種(仕事内容)である 66.6%
- 大手企業である 33.9%
- これまで知らなかった業界・業種である 29.5%
- 知名度の高い企業である 29.5%
インターン参加を希望している学生のほとんどが、自身の興味のある業界・業種のインターンに参加していることが分かります。また、「大企業」、あるいは「知名度が高い」といった理由でインターン先を決める学生も少なくありません。その他にも、これまで知らなかった業界・業種にインターンを利用して、体験してみようと考える学生も多いです。
上位5位以内には入らなかったものの、「地元の企業だから」という理由でインターンに参加する学生は21.5%という結果に。地方部で暮らす30%以上の学生が地元の企業であることを理由にインターン先を決めています。
インターンへの参加と内定の関係性
インターンに参加する学生の多くが、興味のある仕事や企業で一定期間働き、企業との適性を測りたいと考えていると窺えます。とはいえ、就活生にとってインターンへの参加と内定との関係性は気になるところでしょう。ここでは、インターンへの参加と内定の関係性について確認していきましょう。
内定に直結する場合
採用担当者は面接では見えてこない学生の特徴や自社への適性をインターンで知ることができます。学生が実際の業務に近い体験を行う姿を見ることで、その学生が入社後に活躍できる人材かどうか判断できます。
そのため、会社の規模や知名度、業界を問わずインターンと内定を結びつけている企業も多いです。特に、外資系企業のインターンは「ジョブ型」といわれ、本選考の一つとしてみなされています。
選考において有利になる場合
企業のなかにはインターンを内定と直接的に結びつけてはいなくても、応募者の適性を探る上での資料の一つとして位置づけている企業もあります。こうした企業の場合、インターンで高いパフォーマンスを発揮した学生は選考過程で有利になります。通常よりも少ない面接で最終面接に呼ばれたり、早期選考のルートにのれたりすることもあるようです。
また、インターン参加の有無で選考内容を変えていない企業であっても、アピール方法によってはインターンに参加したことを強みにできます。インターンで感じたことや経験したことを踏まえて面接に挑めば、他の学生よりも深みのある話ができるはずです。
内定に関係ない場合
学生にインターンの機会を選考と全く結びつけず提供している企業もあります。例えば、インターンという名称であっても、実際は会社説明会のみであるケースも多いです。このような場合、企業はその場所で学生の適性を見極めることはできないでしょう。
また、大規模な会社説明会の後に簡単なグループワークを取り入れている企業もあります。グループワークが自社に興味を持つ学生に業務を簡単に体験してもらうことを目的としている場合、選考とは無関係になります。
企業によっては就活生向けに開催しているイベントの参加率についても、選考プロセスにおいて参考資料としています。内定に直結しないインターンであっても参加しておくことで、多少なりとも有利になるケースもあるかもしれません。
まとめ
近年、多くの大学生が就職活動においてインターンに参加しています。就活に対して高い意欲を持つ学生は、大学2年生頃からすでにインターンに参加しています。
インターンに参加し、実際の業務を体験したり、社員と関わったりすることで、企業説明会では分からない企業と自身との相性を測ることができるでしょう。
内定を得た企業で長期的に働きたい人や、自分に合った企業と出会いたい人にはインターンへの参加をおすすめします。