ある時期になると「就活ノート書いた?」と周りがざわつき始めます。
自分も書き始めなきゃと思うけれど、何から書いて良いのかわからないし、「そもそも就活ノートって必要?」と疑問に思いますよね。周りが書いているからなんとなく始めたという人は、実は就活ノートを書いても時間の無駄に終わる可能性もあります。何を書くべきか目的を知らないまま就活ノートを書き始めるのはとても危険です。
- そもそも就活ノートとは何か
- 就活ノートには何を書くべきか
- 就活ノートのメリット・デメリット
など、気になる「就活ノート事情」について詳しくまとめてみました。
就活ノートが実は向いていない人もいるので、この記事を読んであなたはどのタイプかチェックしてみましょう。
就活ノートとは?
就活ノートとは、就活で知ったすべての情報を、わかりやすく言語化してまとめたノートのこと。
- 研究した業界や企業のことを簡潔にまとめたい
- 就活イベントや面接のスケジュールを管理したい
など、業界や企業の研究、面接のスケジュールや内容など、就活に関わる情報を必要な時にすぐに見れるよう、ノート1冊に整理するのが目的です。
時間が限られた就活で、時間を有効活用し、選考をスムーズに突破するための「自分専用マニュアル」が就活ノートです。
就活ノートの作り方!書くべきことはこんな内容
就活ノートに書くべきことは、自己分析・業界研究・企業研究の3つがメイン。
それにプラスして、参加予定の就活イベント情報や、面接のスケジュール、選考結果や就活の記録などを書いていきます。
就活中に感じたこと(良いことだけでなくネガティブな気持ちも)を自分の言葉で書き留められる、フリースペースも確保すると良いでしょう。
では、具体的にどんなことを書けばよいのか、紹介していきます。
自己分析(記入例)
- 自分の長所と短所
- 働く上で大切にしたい価値観
- 学生時代に頑張ったこと
- 趣味や特技
- モチベーショングラフ(どんなときに気分が上がる?下がる?)
- 10年後どうなっていたいか
自己分析は就活の軸となるもので、就活ノートの中で最も重要な部分。
「自分が何をしたいのか」「仕事をすることで何を得たいのか」など、頭の中身をノートに書き出すことで、”見える化”するのが目的です。
自分自身を正しく理解できないまま就職すると、早期退職や働く気力を下げる原因にもなり、「あの時もっとこうしていれば…」と後悔することも。
書き慣れていないとなかなかペンが進まず、面倒くさいと思うかもしれませんが、少しずつ習慣化していきましょう。また、考え方は就活の中で変化していくこともあるので、その変化を記録するためにも就活ノートはおすすめです。
1度だけではなく、悩んだり、立ち止まったりした時こそ繰り返し書くと、後で自分の成長を振り返りやすくなります。
業界研究(記入例)
- 業界名
- 仕事内容
- 事業規模
- 何をしている業界か
- 他の業界との関係性
- ビジネスモデル
- 業界内のトップ企業
- 将来性
まずは業界名や仕事内容など、基本情報を簡潔にまとめ、そのあとで自分が気になる情報やわからない点などを書き足していきます。就活を始めたばかりの頃は、業界といわれてもどんな仕事が何業界に当たるのか、全くわからないという人も多いものです。
昔から業界研究によく使われるのが「会社四季報 業界地図」という本ですが、今はインターネットでもたくさんの情報を仕入れることができる時代。
「適職診断」などの簡易テストを受けられるサイトもあるので、まずはこういったものからスタートしてみるのも良いでしょう。「本来自分がやりたいと思っていることが叶う業界か?」日々研究を重ねていきましょう。
企業研究(記入例)
- 基本情報(企業名、代表者名、連絡先など)
- 事業内容、経営理念
- 基本給
- 年間休暇
- 福利厚生
- エントリーシート提出期限や面接の日程
- この企業へ志望する動機
業界研究で定めた方向性(目指したい、向いている業界)をもとに、それが実現できる会社を選ぶために行うのが企業研究です。興味のある業界のなかで、福利厚生、給与、待遇、勤務地などを比較して、最も自分に合った企業を選ぶ基準になります。実際に企業へエントリーするとなれば、企業理念や事業内容などの基本情報を抑えておくことは必須です。
また、インターネットやパンフレットの情報だけでなく、企業の関連ニュースなどもチェックしておくと良いでしょう。
就活イベント、面接のスケジュール(記入例)
- 会社説明会や就活イベントの予定
- 企業のエントリー開始日
- 面接予定日
- インターンシップの予定
- 内定日、入社日
過去の就活イベントや面接のスケジュールをもとに、今年の就活情報をまとめておきましょう。就活に関わるスケジュールを記載しておくメリットは、「ダブルブッキングを防ぐ」「効率よく複数企業にエントリーできる」ということ。
別のスケジュール帳を活用して予定を管理している人も多いと思いますが、複数の企業について一度に管理する就活スケジュールは、膨大な情報量になります。就活スケジュールだけ1冊にまとめておけば、学校やプライベートの予定と差別化でき、管理しやすくなります。
フリースペース(記入例)
- 就活中に思ったこと、感じたこと
- 面接で答えられなかった質問
- SPIで解けなかった問題
反省や失敗を振り返り、次の成長へつなげるための記録としても、フリースペースは有効です。就活に失敗はつきものですが、その度に落ち込んでネガティブになるのではなく、「次はこう改善しよう」と前向きになるためにも効果的。フリースペースに自分の考えや思いを書くことで頭の整理ができ、結果として自己分析にもつながります。思いを言語化する練習にもなり、自己PRを書くときや、面接官の質問に答えるときなどにも役立ちます。
就活ノートのメリットとデメリット
就活ノートが向いている人は、次のような人です。
- 書くことが好き、苦にならない
- スマホのメモよりもペンで書く方が頭を整理しやすい
「ノートに書くよりもささっとスマホに書いて即行動」「デスクに向かうより行動する方が結果が出る」という人は、就活ノート以外の方法でも良いかもしれません。就活ノートにもメリット・デメリットがあるので、自分の適性を理解して最も合った方法で就活を乗り切りましょう。
就活ノートのメリット
メリット1:自分の考えを整理できる
就活ノートは、自分の考えを見える化することで、客観的に自分を評価する役割を果たします。就活中に入ってくる情報は膨大な量である上に、不安を感じたり、失敗が続いてネガティブになったりと、何もしなければ頭が混乱してしまいます。ノートに頭の中身を全て書き出すことで、情報が整理され、次に自分が何をすべきかが明確になります。
メリット2:就活で得たことを1冊で管理できる
就活ノートを書く最大の目的は、「就活中に得た情報を必要なときにすぐ引き出せるようにする」ことです。「就活の教科書」「絶対合格」といった本は何冊も発売されていますが、就活でぶつかる壁は十人十色。
就活ノートなら、自分のために必要な情報だけを書き留めることができるので、最終的にはどこにも売られていない最強の「自分専用マニュアル」になるのです。
メリット3:今後のプラン設計に役立つ
就活ノートで研究した業界や企業の情報は、これから先、自分がどんな風に社会で生きていくのかという将来設計の指針になります。
「憧れていた業界だけど将来性がない」「苦手だと思っていたけれど調べていくうちに興味が出てきた」など、方向性が180度変わる可能性もあります。
内定は通過点にすぎず、本当の人生は内定後からスタートします。
就活ノートは「今」だけでなく、「未来」にも重要な役割を担っているのです。
就活ノートのデメリット
デメリット1:作るのに時間がかかる
就活ノートは、毎日コツコツ書き進めていくのが理想ですが、調べたり書いたりするのは時間がかかります。忙しい就活生ですから、疲れてなかなか机に向かえない日もあるでしょう。
そんな日は無理に書こうとせず、書きたい内容をスマホ等にメモしておき、後日ゆっくりまとめるようにしましょう。
デメリット2:人によってはストレスになる
就活ノートは「書く」ことが目的ではなく、「必要な情報を振り返りやすくまとめる」ことがゴールであることを忘れてはいけません。書くこと自体がストレスになるようであれば、役に立つどころか就活の妨げになる可能性もあります。そんな人は、スマホやパソコンのメモ機能を活用するなど、違う方法を試すのも一つの方法です。
デメリット3:無くしたり人に見られる危険性がある
万が一就活ノートを紛失した際に、拾った人が志望する企業の偉い方だったら…と思うとゾッとしますよね。就活ノートは気軽に書けるものですが、中には企業の重大な情報がたくさん詰まっていることを忘れてはいけません。面接の内容やSPIの情報を書くこともあるので、取り扱いには十分注意しましょう。
就活ノートのよくある質問
最後に、就活ノートについてよくある質問をまとめてみました。
過去に就活ノートを活用していた先輩たちの声も書いてみたので、ぜひ今後の参考にしてみてください。
就活ノートはいつから書く?
大学3年の春から。就活が本格的に始まると、エントリーシートの作成やSPIの勉強などやるべきことが増えるので、忙しくなる前に書き始めるのが理想です。
就活ノートに最適なのはどんなもの?
ルーズリーフや小ぶりなA5ノート。日々情報が追加される就活では、ページの入れ替えが可能なルーズリーフを使うのがおすすめです。
また、バックに入れてもかさばらない、小ぶりなA5ノートを活用している人も多いです。
就活ノートをスマホで書くのは?
ノートに書くことがストレスになる、スマホの方がやりやすいという人は◎
就活ノートは、情報を後から振り返ることが目的なので、スマホの方がやりやすいというのであれば、そちらを活用しても良いでしょう。
最近では就活に役立つアプリなども続々登場しています。
就活ノートを先輩たちはどう活用した?
就活中に就活ノートを活用したという先輩は、全体のおよそ6割以上。テンプレートにはこだわらず、その時の感情と言葉でありのままに記載していたという人が多いです。
就活が終わり、社会人になった今も、当時を振り返ったり、今の自分と比べて成長を確かめるものさしとなったり、大切に保管しているそうです。
まとめ
- 就活で知ったすべての情報をわかりやすく言語化してまとめたのが就活ノート
- 就活ノートに書くべきことは、自己分析・業界研究・企業研究の3つがメイン
- 必要なら参加予定の就活イベント情報や、面接のスケジュールなども書く
- 就活中に感じたことを書き留められるフリースペースもあると良い
- 自分の考えを整理でき、情報を1冊でまとめられ、今後のプラン設計ができる
- 書くより行動する方が結果が出るという人は就活ノート以外の方法でも良い
- 紛失すると人に見られる危険もあり、取り扱いには注意が必要
- およそ6割近くの先輩が過去に就活ノートを活用し、今も大切にしている